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注文住宅の外構で失敗しないためのコツ!費用相場や節約のコツも解説

お庭は家の顔といえる存在で、注文住宅の家づくりにおいて外構工事は大切な要素です。

植栽や自然石を使ったお庭づくりに代表されるデザイン性から駐車スペースの配置やカーポートなどの機能性まで、一括りにお庭といっても検討すべき事項は数多く存在します。

勢い余って外構はお任せにしてしまった結果、

「駐車スペースが狭い」

「カーポートの柱が邪魔になる」

などといった後悔の経験を耳にしたことがあるという方もいるかもしれません。


そこで本記事では、お庭の工事いわゆる「外構(エクステリア)工事」で失敗しないための4つのコツを、外構の基礎知識とともに解説します。

記事後半では、外構工事にかかる費用の相場や節約のコツについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。


外構とは

住宅の庭


外構とは、建物の外にある構造物や設備の総称です

たとえば、門扉、フェンス、カーポート、駐車場、庭、照明、水道設備など、建物の周辺にあるものを指します。

注文住宅を建てる際は、建物本体の工事を終えたあと、外構に関する工事を行うのが通常の流れです。


なお、外構工事には、住宅施工を行った工務店やハウスメーカーにそのまま依頼するケースと、外構専門の業者に依頼するケースの主に2通りの方法があります。

エクステリアとの違い

外構と似た言葉にエクステリアというものがあります。

エクステリアとは、お庭における空間全体のデザインや雰囲気を指す言葉です。

外構はエクステリアの一部であり、エクステリアを構成する要素のひとつといえます。


つまり、外構はエクステリアを構成する具体的な構造物や設備を指すのに対し、エクステリアは外側の空間全体のデザインや雰囲気を指す、より抽象的な概念です。


外構工事を行う際には、機能性や安全性などの実用的な面を重視するだけでなく、エクステリアの観点からもデザインや雰囲気を検討することが大切です。そうすることで、より魅力的かつ居心地の良い住まいを実現できます。

外構における3つのスタイル

住宅の外観


外構(エクステリア)のスタイルは、大きく次の3つにわけられます。


クローズ外構の特徴とメリット

クローズ外構は、門扉やフェンス、ブロック塀、生け垣などで外部からの視線を遮断できるため、プライバシーの確保をしやすいお庭だといえるでしょう。

とくに、前面道路や隣家との距離が近い場合や、子どもやペットの飛び出しや転落を防ぎたい場合におすすめです。


なお、住宅が囲われているため、一見すると防犯性も高そうですが、一度庭の中に入ってしまうと、外から動きがわかりにくいという点では、オープン外構に比べて防犯性は劣るかもしれません

死角となりそうな場所には防犯カメラを設置する、また外から中の動きがある程度見えるようなフェンスを採用する、などといった工夫が必要になります。


また、クローズ外構は風や砂塵の侵入防止というメリットもあります

海岸沿いや周辺に家がないような開けた土地にお住まいの場合にもおすすめの外構スタイルです。

オープン外構の特徴とメリット

オープン外構は、視界を遮るものがないため、開放感のある空間を演出できます

とくに、狭い敷地や敷地の形がいびつな場合でも、広く感じられるというメリットがあります。

また、光や風も通り抜けやすいため、家の中が明るく快適です。


また、門扉やフェンス、ブロック塀、生け垣などの設置に大きく費用がかからないため、クローズ外構よりも工事費用が安くなる可能性があります。そのため、オープン外構は、開放感やコストの低さを重視する方におすすめの外構スタイルです。


ただし、プライバシーの低下や防犯性の低下などのデメリットもあるため、シンボルツリーなどの植栽を上手に配置することで、外からの視界をある程度遮るのがおすすめです。

セミオープン外構の特徴とメリット

セミオープン外構(セミクローズ外構と呼ばれることもあります)は、クローズ外構とオープン外構の中間に位置するタイプの外構です。

門扉やフェンス、ブロック塀、生け垣などを部分的に設置することで、視界を遮りながらも開放感のある空間を演出できます


視界を遮りたいエントランスやリビング周辺のみフェンスなどの外構を設置することで、クローズ外構とオープン外構、両方のメリットを活かしたお庭づくりができます。


セミオープン外構は、自由度が高くコストも調整しやすいため、多くの注文住宅で採用されている外構スタイルです。

開放感とプライバシー、防犯性、コストなどのバランスを重視する方におすすめといえます。

注文住宅の外構で失敗しないための4つのコツ

外構・エクステリアパートナーズが実施した外構に関するアンケートによると、およそ2人に1人は外構工事後に失敗・不便さを感じた箇所があることがわかりました。

外構工事は自由度が高く選択肢も幅広いため、とくにデザイン面などは希望を叶えやすいでしょう。


一方、機能面に関しては実際に使い始めてみないとわからないことも多いため、結果的に後悔してしまうケースが一定数存在するのではないかと予想します。


外構工事はやり直しがしにくい部分でもあるので、できるだけ失敗しないような設計をしたいと思う方は多いでしょう。


そこで本章では、注文住宅の外構で失敗しないためのコツを4つにわけて紹介します。

  1. 開く」のか「閉じる」のか防犯性も考慮しながら決める
  2. デザインにおいては建物とお庭の一体感を大切にする
  3. 駐車場の配置やスペースを入念に検討する
  4. メンテナンスの手間やコストを把握しておく

1. 「開く」のか「閉じる」のか防犯性も考慮しながら決める

はじめにお庭の全体像をイメージします。

前面道路や隣家との近さなど周辺の環境を考えつつ、家族の希望にも合わせて、お庭を開く(オープン外構)のか、閉じる(クローズ外構)のか大体の方針を決めましょう


高低差があったり、隣家との距離が離れていたりして、自然と視界が遮られるような環境であれば、コスト面からもオープン外構がおすすめです。

一方、前面道路が通勤に使われていたり、隣家との距離が近かったりする場合は、境界を明確にしておくという意味も込めて、クローズ外構を採用した方が無難かもしれません。


なお、基本はオープン外構で部分的(エントランス周辺だけなど)にクローズにしたいような場合は、セミオープン外構がおすすめです。

関連記事: 高低差のある土地

2. デザインにおいては建物とお庭の一体感を大切にする

外構は、建物と一体となって家の印象を左右する重要な要素です。

そのため、建物と外構のデザインは、統一感を大切にしましょう。


たとえば、建物の外壁の色や素材に合わせて、外構の門扉やフェンス、舗装などの色や素材を選ぶと、よりまとまりのある外観に仕上がります。


建物とお庭の一体感を出すためには、外構工事を住宅施工会社にまとめて依頼する方が良いかもしれません

建物の外観とマッチした素材などを選定してもらえるでしょう。

3. 駐車場の配置やスペースを入念に検討する

外構は、見た目だけでなく、使い勝手も重視しましょう。


たとえば、駐車場は、車の出入りがしやすいように、車幅や奥行きを十分に確保しておくことが大切です

自動車のサイズは買い替えのタイミングで大きく変わることもあります。

子どもの乗り降りのしやすさなども考慮したうえで駐車スペースを決めるのがおすすめです。


また、玄関アプローチは、雨の日でも濡れずに玄関まで行けるように、段差や傾斜を少なくしておくと良いでしょう。

段差や傾斜を少なくしておくことで、将来身体に不自由が生じた際のバリアフリー対応がスムーズに進むというメリットもあります。


関連記事: バリアフリー住宅 

4. メンテナンスの手間やコストを把握しておく

外構には、メンテナンスが必要なものも多々あります。


たとえば、生け垣や植栽であれば、定期的な剪定作業が必要です。

場合によっては植木の維持管理に年間数十万円かかるようなケースもあります。


また、ウッドデッキをはじめとして木材を使用した外構は、定期的に塗装や防腐処理を行う必要があります。

さらに、天然芝を設置した場合は、季節ごとの刈り込みなどの管理もしなければなりません。


このように、外構には維持管理に手間がかかるものが多いため、予算に余裕があるからといって、あれもこれもとならないように、将来のメンテナンスについてもしっかりと把握したうえで検討を進めることが大切です

外構工事の依頼先

打ち合わせの様子


注文住宅の外構工事はいつ誰に依頼すべきでしょうか?

外構工事の依頼先は「外構専門業者」と「住宅施工を依頼した工務店やハウスメーカー」の主に2通りです。

外構専門業者に依頼するメリット・デメリット

外構工事を専門とする業者は豊富な実績と経験を持っているため、提案の引き出しが多いといえるでしょう

デザインや使用する素材に強い希望がある場合は、外構専門業者に依頼するのがおすすめです。

相見積もりを取りやすいため、住宅会社に依頼するよりも費用が抑えられる可能性が高い点もメリットです


一方、工務店やハウスメーカーに依頼する場合に比べて、業者を選定する手間や日程調整などの必要があるため、場合によってはスムーズに工事に移れないというデメリットも存在します。

仕事などが忙しく、できるだけ打ち合わせ時間を短縮したい、条件に合致する業者がなかなか見つからないという場合は、住宅施工と同時に工務店やハウスメーカーに外構工事も依頼した方が良いかもしれません。

工務店やハウスメーカーに依頼するメリット・デメリット

工務店やハウスメーカーに依頼するメリットとして大きいのは、外構工事の費用を住宅ローンに組み込める点です


外構専門業者に依頼しても工事費用を住宅ローンに組み込める可能性はありますが、原則としてローンを組む金融機関の判断が必要になり、金融機関からNGが出た場合は、一括で支払うか別のローンを組まなければなりません。

外構工事費用は決して安いものではないため、このような資金計画についてしっかりと確認しながら家づくりを進めることが重要です。


なお、工務店やハウスメーカーに依頼するメリットとして、

「日程の調整がしやすく工事がスムーズに進む」

「建物とお庭に一体感が生まれる」

なども挙げられます。


一方、工事費用の面では相見積もりが取れる外構専門業者に比べると高くついてしまうケースが多いといえるでしょう。

慎重に検討したいという方は、はじめに住宅会社に外構工事の提案や見積もりを出してもらって、納得がいかなければ、外構専門業者を探すという流れでも良いかもしれません。

外構工事にかかる費用

家づくりにかかる費用の内訳は、

  • 本体工事費:約70%
  • 付帯工事費:約20%
  • 諸費用:約10%

とよくいわれます(プラス土地代)。


外構工事にかかる費用はこの中の付帯工事費に含まれます。

なお、付帯工事費に含まれる費用として、ほかに挙げられるのは、地盤改良工事や給排水工事などの費用です。

具体的に外構工事にどの程度の費用がかかるかは、どういったお庭にするのかによるためはっきりとしたことはいえませんが、一般的に100万円〜300万円ほどが外構費用の相場とされています

外構費用を節約するためには

予算に余裕がないときは、植栽の設置がおすすめです。

植栽が存在するだけで魅力的なお庭になるうえ、フェンスなどに比べて設置費用を低く抑えられるためです。

ポイントを絞ってシンボルツリーなどを植えることで、見た目も華やかになりますし、視界も効率的に遮ることができます。


また、最近はDIYを行うかたも多いため、新築時の外構工事は最小限に抑えておき、あえてお庭にも余白を残しておくと良いかもしれません。

ご家族とともにウッドデッキや家庭菜園を作っていくのも楽しいでしょう。

まとめ

本記事では、外構工事を失敗しないためのコツを4つ紹介しました。

  1. 開く」のか「閉じる」のか防犯性も考慮しながら決める
  2. デザインにおいては建物とお庭の一体感を大切にする
  3. 駐車場の配置やスペースを入念に検討する
  4. メンテナンスの手間やコストを把握しておく

外構工事は家づくりの仕上げにあたる部分です。

マイホームでの新生活を気持ちよく始めるためにも、本記事のコツを参考に、失敗のないお庭づくりを進めていただければ幸いです。



埼玉県に拠点を置くさいが設計工務は、地場工務店として土地選びからアフターフォローまで住宅購入を全面的にバックアップしています。

断熱性や気密性といった住宅性能を重視しつつ、それぞれの予算に応じた自由度の高い注文住宅の提案が得意です。

本記事で取り扱った外構工事(エクステリア工事)についても豊富な施工実績があり、住宅施工に合わせて依頼いただくケースが増えています

住宅と一体感のあるお庭をご希望の方は、さいが設計工務に依頼してみてはいかがでしょうか。

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筆者プロフィール
【ライター&ファイナンシャルプランナー:武田有】父が一級建築士であることから、幼少期から建築業界に親しみを持つ一方で、大学では数学(専門は位相幾何学)を学んだ多彩なバックグラウンドを持つ。現在はWEB業界での活動と並行して、金融から教育まで幅広いジャンルで執筆活動を展開。2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格も活かし、金融分野での深い洞察も提供。一般家庭が直面する住宅関連の課題やニーズに対応する実用的なコンテンツをお届けしています。
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