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【知らないと後悔】中庭のある家のメリット・デメリットを深掘り解説

「中庭があれば他者の目を気にすることなく外でくつろげるし、いつでもリビングから青い空が見え家の中も明るくなる」というように中庭に憧れを持つ人は多く存在します。

家づくりの際に思い切って中庭を設けることは満足度の高い暮らしを実現するために有効な工夫の一つと言えますが、建築コストが大幅に増加したり、間取りが制限されてしまったりと、実はデメリットも複数存在します。


本記事では、中庭を作るかどうか悩んでいる方に向けて、中庭のメリット・デメリットから後悔しないために押さえるべきポイントまで掘り下げて解説します。中庭の形状や種類による費用の違いについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。




思いつきだけで中庭を作ると後悔するかもしれない

後悔する女性


中庭のある家での暮らしは憧れのライフスタイルの一つです。特に最近は、プライバシーを重視する人が増えているため、中庭のようなプライベートな空間に対するニーズが高まっています。

たしかに中庭があれば、ご近所さんや通行人の目を気にすることなく子どもを思いっきり遊ばせたり、友人とバーベキューを楽しんだりできます。

ただし、こうした漠然とした憧れだけを頼りに中庭を作ってしまうと結果として後悔することになるかもしれません

一口に中庭と言ってもさまざまなタイプがある

中庭には、大きくわけて次の3つの種類があります。


  • ロの字型:全ての包囲を壁で囲む中庭のこと
  • コの字型:住宅をコの字型にして真ん中に中庭を設けること
  • L字型:住宅をL字型にして2方向の壁に囲まれている中庭のこと


もっともプライベート性が高いのは四方を壁で囲ったロの字型ですが、建築コストも大きくなる傾向にあります。

コの字型の中庭はプライバシー重視かつメンテナンス性の高さを求める人におすすめの形状です。

L字型の中庭は、比較的小さな土地でも実現できるというメリットがあり、建築コストもそのほかの形状と比べて低く抑えられるという特徴があります。


中庭のある家のメリット

「MERIT」の文字が描かれたブロック


中庭に憧れる方は多いでしょう。

特に人の目が気になるような住宅密集地に家を建てようと考えている人にとって、プライバシーが確保された庭を持つことは「生活の質を向上させる重要な要素」と言えます。本章では中庭のある家に住むことのメリットを紹介します。

プライバシーを確保しながら外遊びができる

中庭は建物で囲まれているため、外からの視線や騒音を遮断できます。

そのため、小さなお子様やペットを安心して遊ばせることができます。道路に飛び出してしまうようなリスクも低くなります。また、大人にとっても家族や友人とプライベートな時間を過ごすのに最適です。

家全体が開放的になる

中庭があることで、家の中心に明るい空間が生まれます。

そのため、家全体が開放的であたたかい印象になり、さらに中庭に窓や出窓を設けることで他者の視線を遮りながら外の景色を楽しむこともできます。

家の中に陽の光を採り入れやすくなる

中庭は、外からの陽の光を効率的に採り入れられます。

最近の住宅は、高い断熱性を確保するために窓を少なくかつ小さくする傾向にありますが、中庭があることで家の中に明るくあたたかな光が差し込みます

窓にはトリプルガラス樹脂サッシなどの断熱性能に優れたものを設置するのがおすすめです。


このほかに中庭のある家には、騒音や排気ガスを気にせず外に出られたり、住宅のデザイン性が向上したりするといったメリットも存在します。

中庭のある家のデメリット

住宅の模型と積み上がるコイン


中庭を作ることにはメリットだけでなく建築コストの増加や間取りの制限といったデメリットも存在します。

メリットだけでなく、次に紹介するデメリットを理解した上で検討を進めることが重要です。

コストが上昇する

中庭を作ることで建築時のコストが大幅に上昇する可能性があります。

なぜなら、中庭を設けると壁や窓の面積が増えるからです。住宅は基本的に角が増えるほど建築費用が増すため、L字型よりもコの字型、コの字型よりもロの字型という順にコストは上昇します。

また場合によっては、初期コストだけでなくメンテナンスに関わる費用も中庭のない家と比べれば上昇するかもしれません。

外壁や中庭の床材は定期的なメンテナンスが必要となり、さらに閉じられた形をしているロの字型の場合、外壁のメンテナンス作業などをしてもらう際に別で足場を組まなければならないため、追加の費用負担が生じます。

間取りや動線に制限が出る

中庭のある家の場合、一般的に玄関や廊下、リビング、キッチンなどは中庭を取り囲むように配置されます。

必然的に動線は、中庭のない場合と比べて、長くなり、またリビングの形状や間取り自体に影響を及ぼすこともあります。

高齢になって身体が思うように動かなくなってきた際に中庭のある間取りは不便だと感じる可能性もあるため、短期的な視点だけではなく将来のことも考えて検討することが大切です。

実際に住んでみたらあまり使わないこともある

「憧れの中庭を設けてみたが実際には滅多に使うことがなく掃除の手間だけが残ってしまった」などというケースも考えられます。

一度作った中庭をなくすことはそう簡単にできるものではありません。

導入コストや間取りへの影響を考えることも大切ですが、中庭の必要性についても家族とともにしっかりと話し合っておくことが重要です。


このほかにも、虫や鳥の被害を受ける、窓が多くなるため想定した断熱性を発揮できなくなる、などのデメリットも考えられます。

さらに、地域によっては冬の間いつまでも雪がとけなくて困るといったケースもあります。


疑問に思う点や不明な点は施工会社の担当者にしっかりと確認するのが大切です。

中庭で後悔しないために確認すべき3つのこと

チェックマーク


「中庭のある家=理想の暮らしの実現」となるかどうかは、一概に言い切れるものではありません。

実際に暮らしをはじめてみなければわからないことも多いでしょう。しかし、中庭の設置は家全体の構造や間取りに大きく関わってきます。

設計段階で中庭を設けることの必要性やデメリットをできるだけ理解しておきたいところです。


本章では、中庭の設置を検討するにあたってチェックすべきポイントを3つ紹介します。

建築コスト

多くの場合、中庭のない家と比べて中庭のある家の建築コストは増加します。

一般的に、中庭のある角の多い家は建築コストが高くなり、逆に総二階のような角が少ない住宅は建築コストを低く抑えられる傾向にあります。

形状や仕様にもよりますが、中庭を設けることで500万円も建築コストが上昇してしまうようなケースもめずらしくないでしょう。


また、メンテナンスや修繕にまつわる費用負担の増加も忘れてはいけません。

特にロの字型のような閉じられた中庭の場合、一般的な外壁修繕と比べて作業がしづらいため追加の費用負担が生じる可能性もあります。

住宅性能への影響

中庭を設けることによって耐震性や断熱性といった住宅性能に影響が生じるのかどうかは重要なポイントです。

中庭を作ることは家の構造部分に影響を及ぼすため、場合によっては耐震性が低くなる可能性もあります。その場合、耐震性を確保するために新たなコストが生まれるかもしれません。


また、中庭を設けた場合、中庭を取り囲むように窓を増やすのが一般的です。

窓は住宅の中で熱の出入りがもっとも多い箇所の一つです。そのため、中庭を設けることで住宅の断熱性・気密性に影響が生じることもあります。

さらに中庭のある家は必然的に角が多い間取りとなるため、空気の流れ自体が悪くなる可能性もあるでしょう。


関連記事:高気密高断熱住宅を建てる5つのメリット

中庭のある家に住む人の体験談

中庭のある家で実際に暮らす人に話を聞いてみるのも有効な手段です。

特に普段の利用シーンや小さな不満点、さらに中庭を作ったことで実際に後悔しているポイントを思い切って聞いてみるのも良いでしょう。

また、中庭のある家で住宅見学会を実施している住宅会社があれば、足を運んでみるのもおすすめです。

イメージだけで検討するよりも、実際に目で見て太陽光の入り方や生活動線のチェックをおこなうとより理解が深まります。


まとめ

本記事では、中庭を作るかどうか悩んでいる方に向けて、中庭のメリット・デメリットから後悔しないためのポイントについて解説しました。

中庭には、プライバシーを確保しながら外遊びができたり、空や緑が見え開放的でリラックスできたりするというメリットはありますが、コスト面や間取りの制限、住宅性能低下のリスク、管理の手間などデメリットも存在します。

中庭を設ける際には、設計段階でデメリットをできるかぎり排除できるよう工夫をしながら、家づくりを進めていくことをおすすめします。



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筆者プロフィール
【ライター&ファイナンシャルプランナー:武田有】父が一級建築士であることから、幼少期から建築業界に親しみを持つ一方で、大学では数学(専門は位相幾何学)を学んだ多彩なバックグラウンドを持つ。現在はWEB業界での活動と並行して、金融から教育まで幅広いジャンルで執筆活動を展開。2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格も活かし、金融分野での深い洞察も提供。一般家庭が直面する住宅関連の課題やニーズに対応する実用的なコンテンツをお届けしています。


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