高断熱・高気密の両方を兼ね備えた住宅には、多くのメリットがあります。実は、この二つの性能、片方だけでは不十分なんです。両方がそろってはじめて、メリットが得られます。

どちらかが不十分な場合、残念ながら、以下のような状態になってしまいます。

高い断熱性・気密性のそろった、高断熱高気密住宅に住むことで得られる、5つのメリットを解説します。

メリットその1・冷暖房効率がよく、家計にうれしい！光熱費削減効果

高断熱高気密住宅の建築費用は、一般的な住宅よりは高額になります。しかし、新築時に支払った金額以上に多くの金銭的メリットがあるのです。その一つが光熱費。

高断熱高気密住宅に住む人に話を聞くと、「冬の朝、起きた瞬間から寒くない」「真冬も昼間は暖房がほとんど必要ない」といいます。夏は「扇風機だけで過ごせる日が増えた」という声も。オールシーズン快適に過ごせるのが、高断熱高気密住宅の特徴です。

高断熱・高気密であれば、夏の暑さも冬の寒さも住宅内には伝わりにくい上、エアコンの冷気や暖気が外に出ていくことも防げます。外気の気温の影響を受けにくくなるため、冷暖房が効率よくかかります。エアコンを長時間稼働したり、設定温度を強く変えたりする必要がありません。

冬に一度温まった部屋は、暖房を切っても、保温効果でぽかぽかが続きます。夏は一度部屋が冷えれば、外が暑くても、室内はひんやりとした空気を保てます。

冷暖房の設備は最小限で済み、使用頻度も減るため、光熱費を大幅に抑えることが可能。ランニングコストが少なく済み、家計にやさしいことが、「高断熱高気密住宅」を建てることの第1のメリットです。

メリットその2・省エネ効果のエコ住宅は、税金面でもお得で、お財布にもエコ！

高断熱高気密住宅の費用効果は、光熱費だけではありません。高断熱高気密住宅は、光熱費削減や温暖化対策が期待できる「エコ住宅」として、国による税金の控除やローンの金利軽減などの優遇制度が設けられています。

気候変動・異常気象による自然災害が増え続ける現代。地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素の排出削減は、企業だけでなく、一般家庭でも意識したいところ。サステナブルであることが大きな価値基準として定着しつつある昨今では、「地球にやさしい暮らし」を心がけている人も少なくないでしょう。

そうした意識は今後も広がっていくことが予想されます。数年後には、エコ住宅が義務化されることが決まっており、現在のような税制面での控除は受けられなくなるかもしれません。

詳しくはこちら⇀国土交通省｜建築物省エネ法

住むだけで地球環境に配慮し、社会貢献できる上、税制面の優遇まで受けられることが第2のメリット。

エコ住宅とは、地球にも家計にもエコな住宅なのです。

メリットその3・住宅の劣化を防ぎ、寿命が長い「ローメンテナンス」な家

住宅に定期的なメンテナンスは付き物です。通常の生活をしていても経年劣化を防ぐことはできません。それでも、建築時にしっかりと断熱性や気密性を高めることで、建物の寿命を延ばし、「ローメンテナンスな家」にすることは可能です。

家の劣化の大きな原因となるのが結露。結露は、建物躯体部分の木材の腐朽やシロアリ・カビ・ダニの発生の原因となります。シロアリ被害に遭うと、建物の基礎部分がボロボロになり、床板をはがすような大掛かりな工事を行うことも。当然、費用負担も大きく、生活面でも不便を強いられます。

カビやダニは、人の健康面にもリスクを与えます。カビの胞子やダニのフン・死骸などは、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎などを引き起こすからです。

高断熱高気密住宅は、高い断熱性があり、十分に換気されている限り、結露が発生しにくいと言われます。結露が発生しなければ、住宅自体が劣化しにくく、寿命が長くなります。

建物の寿命を延ばし、費用対策になる上に、人の健康にも配慮し、ローメンテナンス。それが「高断熱高気密住宅」の3つ目のメリットです。

メリットその4・家中適温・ヒートショックも防げる！ノンストレスな健康住宅

ヒートショックとは、急激な温度変化により、血圧が乱高下して心臓や血管の疾患を引き起こすこと。暖かい部屋から、寒い洗面所や浴室、トイレなどに移動した際に起きやすいことで知られます。高齢者の場合、ヒートショックが原因で亡くなるケースも多いため、予防対策は必須です。

その点、高断熱高気密住宅は、室内の温度を均一に保てます。日当たりの良いリビングだけが暖かいというわけではなく、家中どこに移動しても一定の温度。そのため、部屋を移動してもヒートショックが起こりにくくなるのです。

家中が一定の温度であることのメリットは、ヒートショック予防だけではありません。暑さ寒さで辛かった洗面所の掃除や洗濯などの家事が、スイスイはかどります。廊下に出るために一枚余分に上着を着る必要もありません。家の中での移動でストレスを感じることが少なくなります。

日々の些細なストレスは、軽く考えられがちですが、長い期間に身体に与える影響は、決して小さくありません。心にも体にもやさしい住宅、それが「高断熱高気密住宅」の4つ目のメリットです。

メリットその5・空調管理と防音効果で、子育てしやすい家

子どもの声や物音、ペットの鳴き声などの騒音トラブルを防ぎたい方や、逆に外の物音が気になる方にも、高断熱高気密住宅はおすすめです。

高断熱高気密住宅は、気密性が高いため、隙間から音が漏れるという事がありません。そのため、遮音性・防音性も高くなります。外からの騒音は聞こえにいのはもちろん、家の中の声も外に漏れにくいのです。そのため、子どもやペットをのびのびと遊ばせることができます。

「かなり激しい雨でも気づかない」という程、騒音の聞こえない室内は、静かに暮らしたい方や、赤ちゃんのいる家庭にもピッタリです。

高断熱高気密住宅は、洗濯物の部屋干しにも向いています。部屋干しに適した室内環境に保てるよう、温度と湿度がコントロールできるからです。梅雨の天候不順の季節や花粉の時期など、洗濯物が外に干せなくても、どんどん汚すのが子ども。いつでも洗って干せるため、洗濯物が増えても安心です。

近所の目や天候、騒音を気にすることなく、子どもやペットを自由に遊ばせることができる家。お母さんにとっても、イライラすることが減り、子育てしやすくなります。それが「高断熱高気密住宅」の5つ目のメリットです。

高断熱高気密住宅は、家計にも人にも地球にもやさしいエコ住宅

・光熱費・税制面・ローメンテでお財布にやさしい

・ヒートショックを防ぎ、年中快適・ストレスフリーで人にやさしい

・省エネルギーで地球環境にやさしい

高断熱高気密住宅には、このように多くのメリットがあります。