
安心、かつ快適であるためのポイントを家づくりに充実させることで、長期的な居住が可能な家となる長期優良住宅。国が定める“長寿化のための建築基準”をクリアして認定を受ければ、金銭面でも機能面でも多くのメリットが期待できます。
ただ、メリットが大きく取り上げられる一方で、デメリットとなるポイントもあります。長期優良住宅を建てて認定を受けるときは、デメリットとなりそうな注意点も把握しておくことが大切です。
今回は、長期優良住宅とはどんな家か、そして認定の条件やメリットについて詳しく解説していきます。
長期優良住宅がどんなものかを解説
長期優良住宅は「性能の高い家・安全に長く暮らせる家」のことで、国が掲げる条件を満たすことで認定されます。
主な基準を分かりやすく簡潔にまとめてみましたのでご紹介します。
戦後の住宅不足を背景に、日本の家づくりには“質よりも量”という時代もありました。その名残から「日本の家は短命」と言われ、30年も過ぎれば「解体・建て替え」を考える方も多かったものです。
かつては30年も過ぎると資産価値がなくなると考えられ、中古よりも新築が注目されていたこともありました。
最近は、建物の解体・処分にともない地球に与える環境問題からも、“長持ちする住宅を建てて、メンテナンスやリフォームをしながら長く住む”という考えのもと、長期優良住宅で長く住める家を国が推奨しています。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅にはいくつものメリットがありますが、主なものを「金銭面」と「性能面」に分けてピックアップしてみました。
金銭面のメリット
はじめに、金銭面で得られるメリットについてです。
①不動産取得税が安くなる
長期優良住宅の場合、“家の購入時”に1回だけ払う「不動産取得税」が一般的な住宅と比べて安くなるのがメリットです。
不動産取得税の算出において、課税標準からの控除額が「一般住宅⇒1200万円」「長期優良住宅⇒1300万円」となっています。
※令和8年3月31日までの間に新築した場合。出典:国土交通省HPよりhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000022.html
②固定資産税の軽減の期間が長め
長期優良住宅は、一般住宅よりも固定資産税の軽減期間が長めです。
新築した場合の固定資産税の軽減は、
・一般住宅は優遇措置の軽減期間が3年間(戸建住宅)
・長期優良住宅なら5年間(戸建住宅)
となっています。
長期優良住宅の認定を受ければ、2年間も軽減を延長することが可能です。
③地震保険料が安くできる
基準となる耐震性をクリアした家づくりとなり、長期優良住宅の場合、地震保険料の割引を受けられます。
割引率は、耐震等級でも異なりますが、
・耐震等級2⇒30%の割引
・耐震等級3⇒50%の割引
となります。
詳しくは、地震保険の取り扱いをしている保険会社への確認をおすすめします。
④補助金制度を活用しやすい
国や自治体ではいくつもの補助金制度がありますが、一般的な住宅よりも長期優良住宅の方が受けられる補助金額が高いことが多いです。
現在(令和6年4月時点)は、国による「子育てエコホーム支援事業」による補助金制度があります。
条件・タイミングが合えば、長期優良住宅なら最大100万円の補助金を活用した家づくりが可能です。
性能面のメリット
次は、性能面のメリットについてです。
①長く、安心して住める家になる
省エネ性能の良さ、バリアフリーや可変性にも配慮した、長く住める家づくりができます。断熱性を向上させた長期優良住宅は住まいの光熱費の削減につなげられるとともに、暮らす人を快適に導いてくれるのです。
また、安全面もメリットがあります。古い耐震性の建物に比べると、同じ規模の地震が起こっても倒壊リスクを減らせます。
更に、段差などを取り除いたバリアフリーにすることで“事故リスク”を軽減できるので、年齢を重ねたときも安心感があります。数世代を超えた居住も可能です。
さいが設計工務では、未来を見据えて“快適”が続く品質の家づくりをしています。一般的な省エネ基準を超える高断熱性能により、季節に応じて暖かさや涼しさを感じた快適な暮らしが可能です。
長期優良住宅レベルで、省エネ・健康を充実させた家づくりが叶います。
②劣化がしづらく修繕費用をおさえられる
長期優良住宅では、「基礎の高さ」や「外壁や土台の防腐・防蟻」、「床下の防湿・換気」というように、住まいの要となる躯体が劣化しづらい対策が施されています。「長く住める=建て替え・住み替えまでのスパンが長い」ということはもちろん、補修の頻度もおさえられる家です。
デメリットについても把握しておく
長期優良住宅にはメリットに感じる魅力点が多い一方で、デメリットもあります。
1つ目が、「時間がかかる」という点です。
着工前にプランの確定後、申請に必要なたくさんの書類を添えた申請が必要となります。更に、認定を受けてからの着工となるため、一般的な家を建てるときよりは時間がかかってしまうでしょう。
ただ、長期優良住宅の経験豊富な住宅会社に依頼すれば、プラン作成や申請などもスムーズです。
2つ目は、「建築コストの高さ」や「メンテナンスコストや手間」についてです。
長期優良住宅は維持管理のために保全計画が立てられますが、点検費用・補修費用がかかる点をデメリットに感じるかもしれません。
ただ、もともとどんな住宅であれ「劣化したら修繕する」というのは当たり前のこと。「壊れたら直す・不具合があったら点検してもらう」といった方も多いかもしれませんが、すでに劣化が進んだ時点で修繕をすると費用が多額になってしまうほか、家の寿命を縮める・資産価値を衰えさせてしまうでしょう。
長期優良住宅は「定期点検のコスト・手間」はかかりますが、計画的にメンテナンスができることで、修繕費用もおさえられるうえ、建物寿命の向上や資産価値の保全にもつながります。
こまめなメンテナンスで住まいの寿命を保つという点では、ある意味メリットという考え方もできます。
このように、デメリットは長期的な目線で見ると安心感につながるものばかりです。 昔と比べると、最近の家づくりは性能が高くなっています。
長期優良住宅の認定を受けなくても、「性能が著しく劣る」はなさそうだが、認定を受けておくと金銭面の優遇が魅力という考え方もできるでしょう。
家づくりは一生モノと言えるほど、大きな財産となります。高い買い物だからこそ、長く使い続けたいものですよね。
さいが設計工務では、100年も腐らない柱や錆びにくさを追求した金物の採用による 家づくりが行われています。
一生モノの“高耐久”な家づくりが可能です。
どうやって認定制度を受けるの?
長期優良住宅の認定を受ける手続きは、基本的には施工会社が段取りして手続きをしてくれますが、手数料はかかります。
「着工前の申請⇒認定を受ける⇒着工」という流れで進んでいきます。
ここでポイントになるのが、長期優良住宅についての実績が多く、信頼できる住宅会社をしっかりと選ぶことです。長期優良住宅の条件をクリアできる設計プランを考えられるかどうか、そして長期優良住宅の申請から認定までの流れを段取りよく進められるかなどは、住宅会社の経験によっても変わってきます。
まとめ
長く安全に、そして快適に暮らせることを目的とした長期優良住宅。認定を受ければ、災害時にも安心、性能が良く快適…と長期的に住み続けられる住宅であるという証明になります。
コスト面や申請までの期間といったデメリットはありますが、「認定を受けること=長寿の家に住める」という安心感につながることはプラスに捉えることもできるでしょう。
また、近年は「高性能で快適であるべき」という理念のもとに建てる住宅も多く、そもそも“標準仕様”に長期優良住宅の基準が盛り込まれているケースもあります。
さいが設計工務では、標準性能が「断熱性能や気密性能、耐震・耐久が一般的な住宅よりも高め」です。
たとえば、断熱性能は国の推奨基準よりも3倍もの断熱性能を誇ります。
また、一般的な住宅と比べると隙間面積は1/30と高気密住宅の家づくりが行われています。
長期優良住宅レベルの高性能な家づくりをお考えのときは、おすすめの工務店です。
筆者プロフィール 【フリーランスライター:白井ゆう】これまでに不動産関連会社にて、リフォームや新築住宅に携わった経験を持つ。現在は、WEB業界で主に不動産分野をテーマとした記事を執筆するフリーランスライターとして活動中です。また、プライベートでは、昨年末に念願だった新築住宅が完成したばかり。家族とともに新生活を満喫しています。これまでの職歴や自分自身で経験した内容をもとに、家づくりにお悩みの方に寄り添ったお話をお伝えしています。 |